「………昨日一緒にいた男、誰?」
コタツで参考書を開いていた英理の顔を見ながら、俺はようやく本題へと切り出すことができた。
今俺の頭の中に昨日の夕方みた、光景がご丁寧にも色つきで鮮明に浮かんできやがる。
それからというもの、気になって気になって気になって…さっきから英理が教えてくれる数学の公式すら耳に入ってこねぇ。…まぁ、いつもの事か。
「…は?」
生意気にコイツはしらばっくれるつもりらしい。ごまかしても無駄だ!なんたって俺自身が昨日、この目でしっか〜りと見たんだからなっ!!
「は?じゃねえ。あの男誰だよ?」
もう付き合って一年たとうってのに……どうしてこう諦めの悪い男がいるんだ。
「昨日?…ああ、彼のこと。」
「ずいぶん親しげだったじゃねぇか。俺は知らねぇぞあんな奴。」
「うちのクラスの人よ。どうしても分からない問題があるからって、一緒に図書館に行っただけ。」
と、図書館?…なんだ。色気も何もねぇじゃねぇか……いや、待て!わかんないんなら先公に聞きゃあいいんじゃねえ?!!くー———っ!!!下心丸出しじゃねえか!……俺も人の事は言えねぇが…いや、でもそれにしたってなぁ…
「…何、ヤキモチ?」
正気に戻ると、からかうように笑った英理の顔がすぐ傍にあった。
白い肌の上に紅一点の赤い唇がなんとも柔らかそうで、可愛らしくて……触れたい。
う゛〜〜意志が弱いぞ俺!…あぁでも触れたい……
俺は英理の唇に一瞬だけそっと口付けた。彼女の唇は予想どうり柔らかかった。
「……ま〜たやらしいこと考えてんでしょ?」
……鋭い…俺は冷や汗を掻きながら英理の腰を抱く予定だった手を寸前で止めざるをえなかった。
「…男だからな。しょうがないだろっ。」
そう、しょうがない。惚れた女にキスして何が悪い。他の男に取られるくらいなら…の心理だ。
最近、なぜか英理が異様に綺麗に見えて仕方が無い。こっちだって大変なんだよ。
ダチからも言われた。どうやら俺の錯覚ではないらしい。目に見えて、彼女の仕種や顔立ちが、色っぽく、それは明らかに他の女子にはないものだと確信した。本能で。
「男、か……小五郎も例外ではないってわけね。」
「……もっかい」
「どうぞ、お好きなように」
「…じゃあ遠慮なく…」
小五郎の唇がゆっくりと英理の唇に触れた。いや、今度は触れただけでなく探った。彼女もそれに応える。ゆっくりとした甘い甘い恋人同士のキスをする。
彼女の体温が…伝わってくる。あったかい…柔らかい………もうたまんねぇ…
さっき戻しかけた手が今度は背中に回る…無意識に。
駄目だ…理性、理性、理性……もう少しだけ耐えなければ。
目を泳がせ、ふと目線を下に落としたのがまずかった。
俺のからだに少しだけ触れている、制服の下に隠された…ふくよかな胸…もう駄目だ。
「ど〜こ見てんのよ……このスケベ。」
英理の声にはっとして、慌てて視線を彼女に戻した。…ジト目で睨んでいる英理…
「べ、別に何でもね——よ……」
何でもないわけない…んだけど。…まぁいっか。
「言いなさいよ。」
「だから何でもないってっ」
なんだろ…今日はやけに絡んでくるなぁ。
「言いたい事あるんなら…はっきり言えば?」
言えるか馬鹿。そんなコト分かってるくせに…
「言っていいわけ?言っちゃったら…止まんなくなるけど?」
「…別にいいわよ。」
「…へっ?」
今、さらっと何か言わなかったか?さらっと…
「だから、いいって言ってるの。」
「はぁ………はい?」
「もう!何度も言わせないでよ馬鹿っ!!」
上目遣いの英理の顔が一気に赤く染まっていく。
俺が驚いた顔したら顔を見られないように、ぐりんと勢いよく横を向いてしまった。
隠したつもりらしいが…もう耳まで赤い。
っか、可愛い…可愛いぞ。
赤い耳たぶにそっと触れてみた。ぷにぷにしてて柔らかくてあったかい…。
「ちょっ…なに触ってるのよ…」
「……」
俺は無言でふにふにし続ける。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……な、何なのよ?」
「あぁ〜〜!!もう我慢できね———っ!!!」
がばっ
「えっちょ、ちょっと何!?」
勢いに任せ英理の体の上に覆い被さった。…甘い匂いがする。シャンプーの香りだろうか。
顔を上げて、英理と視線を交わす。
…なんて色香のある目をするんだこのオンナは。
微かに熱を持ったその顔に、俺の理性は吹き飛びそうになった。
ゆっくりと唇を近づけていき、じっくりと味わう。
生温かさとふにょふにょした感触は何度味わってもたまらない。
たっぷり余韻を残して唇を離す。
「あ…」
何か物言いたげな顔で俺を見つめる英理。
「どした?」
「あ、あのさ…制服シワになっちゃうし…先にお風呂…」
「あ?」
「…駄目?」
「…駄目。」
小五郎は手を背中に伸ばし、片手でブラのホックを外す。
ごそごそと服の中からピンク色の下着を取り出した。
「ね、ここじゃなくて…せめてベットで…」
「ハイハイ。」
英理をお姫様抱っこして、脇のベットの上にゆっくり下ろした。
制服の脇チャックに手をかける…
「ねぇ、暗くしてくれない…?」
「…ハイハイ。」
小五郎はしぶしぶ照明のヒモを2回引っ張る。豆電球の光を頼りに再びベットに戻った。
「ねぇ……」
「っ今度は何だよ…」
「……」
「……?」
「…優しくしてね」
少し照れたように優しく微笑んだ英理。
な、なんて可愛い事言いやがるんだこの女は。
…好きだ。大好きだ。この気持ちが大きくなりすぎて、彼女をつぶしてしまいませんように。
誰にも見せたくない。誰にも取られたくない。誰にも…。俺だけのモノにしたい。
「分かってるさ…」
俺は微笑んで微かに震える彼女の手をぎゅっと握り締めた。
ホントは怖いんだろう?からかうのを我慢して、ただ微笑んだ。
英理も俺の顔を見て、なんだか安心したように体の力を抜いて再び微笑み返してくれた。
***
「はぁ…っ…」
柔らかい胸を触ると彼女は切ない吐息をもらした。
「んんっ…あ…」
突起に触れると、熱い吐息は喘ぎへと変わり、呼吸が乱れていく。
女だった。ここにいるのは見たこともない乱れる英理の姿で、なんだか異様に興奮した。
小五郎は休むことなく全身を優しく愛撫する。
やがて右手がショーツにそっと添えられた。布の上から分かるほど、そこは温かくしっとり湿っていた。
ゆっくりと下着を下ろしていく。何も身に付けていない其処にもう一度手を添えると、英理は体を強張らせた。
指を中にいれず、ただ音を立てて何度も上辺だけを愛撫する。
乱れた吐息とともに、徐々に体の力が抜けていった。
力が抜けたのを確認し、小五郎は中指をゆっくりと入れていく。
英理の中はとても温かかった。
「いっ…」
英理は蚊の鳴くような声で言葉を漏らす。
なるべく小五郎に気を使わせないよう、気づかれないように苦痛の顔を浮かべた。
しばらくして指が抜かれ、安心する暇を与えず、さらに太いものが中へ入っていく。
「い、痛っ…!」
痛い、ただひたすら痛いと思った。
早く終わってくれないかとそればかり考えてる。
「大丈夫か?」
「大丈夫……いいよ。」
どうせなら、一気にしてしまったほうがまだマシだ。この妙な異物感はとても気持ち良いといえるような代物ではない。
小五郎は半分まで入ったそれを、一気に入れた。
「っ!!」
…声も出ない。もう、死ぬかと思った。徐々に痛みが引いていくのが分かる。
ゆっくりと動かしていく。つられて腰も動く。
痛さをだんだん忘れ、快楽を感じ始めている自分が其処にはいた。
「あっ…ああっ!!」
なんともいえない感覚が英理を襲う。
同時に小五郎のモノを包んでいる其処を締め付けた。
「くっ…!」
****
「…死ぬかと思った。」
俺は終わってしばらくたった後、涙目の英理に怒られた。
「だって、お前いいっていったじゃねーか…」
「小五郎は私の辛さが分からないから、そんなこと言えるんだわ。」
「わ、悪かったって。」
「嘘。…じゃあこの手は何よ?」
俺の手はしっかりと英理の胸を触っている。
うーーん…やっぱ柔らかい…
「…ほら、揉むと大きくなるって言うしさ。」
ニヤリと笑ってみた。
「馬鹿!何考えてんのよこのスケベ!!」
……次の瞬間、俺の額にはでこピンが炸裂した。
おわり。